自我が芽生え始めたころの、子どもの「イヤ!」という反応…
終わりの見えないイヤイヤ期は、いつからいつまで続くのでしょうか。
この頃の子どもは、どんな声掛けに対しても「イヤ!」といいます。
そういわれてしまうと、子どもへの対応の仕方が、わからなくなってしまいますよね。
全部の声かけに対して否定されてしまうと、ママもパパもつらいものです。
何度も否定されると、うんざりしてしまうことも…。
でも実は、お子さまが「イヤ!」という言葉をいっていても、すべてを拒絶しているわけではないのです。
本記事では
- 幼児期のイヤイヤ期とは?
- 子どもはなぜ「イヤ!」というのか?
- イヤイヤ期はいつから始まるのか
についてまとめていきます。
また、イヤイヤ期の子どもに対する、年齢別の対応法も紹介。
ママやパパのつらさを少しでも減らせるように、ぜひ参考にしてみてください。
イヤイヤ期とは?なぜ起こるのか?
イヤイヤ期は、子どもが「これじゃない!」と思ったときに、その気持ちを他者に伝える時期のことです。
自我が芽生えたお子さまは
「僕(私)は、これがイヤなんだ」
と気がつくようになります。
イヤなものがわかってくると、しだいに自分自身の「好きなもの」や「したいこと」を理解していきます。
お子さま自身が、自分の好きや嫌いをきちんと理解するためにも、イヤイヤ期は大切な成長段階だといえるでしょう。
イヤイヤ期はなぜ起こるの?
たくさんの、物や人に触れてきたお子さまは、しだいに自我が芽生えてきます。
自分の中にある好きや嫌いを認識し始めると、「いまの自分の気持ち」を伝えようとして、自己主張をするようになります。
しかし、相手にその気持ちを伝えたいのに、言葉が出てこないことも…。
成長をして自我が芽生えても、まだ子どもです。
どのように伝えたらいいのか、わからない場面がたくさんあります。
「自分が思っている気持ちとは違う」
という意思表現をするために、お子さまが知っている簡単な表現の
「イヤ!」
という否定言葉で、相手に伝えているのです。
ちなみに、私の息子は「ちが!(違う)」でした。お子さまによって、伝える言葉の種類は違いますよ♪
いつからいつまで続くの?年齢別の特徴や対応方法を紹介
自我が芽生え始めたころから自己主張があれば、0歳児であっても「イヤ!」と意思表示をする可能性があります。
ここでは、子どものイヤイヤ期について、年齢別で紹介していきます。
0歳児のころ
0歳児の赤ちゃんは、言葉が話せません。
そのため
「イヤ!」
と、はっきりと口に出すことはありません。
しかし、0歳児の赤ちゃんに自我が芽生え始めると、自分の中にある好きや嫌いをなんとなく認識し始めます。
「これがいい」
「こっちはイヤ!」
のように、感情だけが先に発達します。
言葉が話せない0歳児の赤ちゃんが、感情を伝えるための手段は、しぐさや表情です。
たとえば、おもちゃで遊んでいたとします。
赤ちゃんが
「やりたい!」
と思ったこと(動作など)が上手にできなかったとき、大きな声をあげて怒ることがあります。
また、赤ちゃんが「いま食べたいもの」ではなかったときには、口からべーっと出してしまうこともあります。
上記のように、好きや嫌いの自己主張が強くなり、それが毎日続いていれば「イヤイヤ期の始まり」となるのです。
Q.0歳児|対応方法とは?
A.お子さまの気持ちを言葉にして、「いまの気持ち」を教えてあげましょう。
実は0歳児は「気持ちの切り替えが早い時期」でもあります。
「上手にできなくて悔しかったんだね」「これは食べたくなかったんだね」のように、お子さまの気持ちを代弁してあげて、気持ちが落ち着くのを待ちましょう。
1歳児のころ
1歳をすぎた子どもは、歩けるようになっていることもあります。
興味のあるものに自分の足で向かうことができるため、1歳前後は好奇心が育っていく時期でもあります。
しかし、お子さまはまだ1歳児です。
1歳児が自分でできることは、限られていますよね。
にも関わらず、1歳児の子どもは
「自分でなんでもできる!」
という、自信に満ち溢れています。
自信たっぷりにやったものの、結果としてできなかったとき、お子さまの気持ちが爆発し、癇癪を起こすことがあります。
さらに、1歳児の子どもは、言葉の発達がまだまだ足りません。
「これがやりたかったの!」
という言葉をうまく伝えられなくて
「(これがやりたかったのにできなかったから)イヤ!」
のように、「イヤ」の言葉のなかに、すべての気持ちをこめている場合もあるのです。
Q.1歳児|対応方法とは?
A.お子さまの気持ちを言語化して、気持ちには種類があることを教えていきましょう。
1歳児も、0歳児とおなじ対応が必要となります。
「できなくて、イヤな気持ちになったんだね」のように、お子さまの気持ちに寄り添って、代弁してあげましょう。
お子さまの気持ちを受容するだけでも、「ママ(パパ)はわかってくれた」となって、イヤな気持ちが落ち着く可能性もあります。
2歳のころ|魔の2歳児…!
「魔の2歳児」といわれているくらい、イヤイヤ期として有名な時期が、2歳児ころです。
2歳児になったお子さまの対応が難しくて、毎日大変な思いをしているママやパパもいるのではないでしょうか。
2歳児になると、お子さまは自分の好きや嫌いがなんとなく理解できるようになります。
そのため、「やりたい」「やりたくない」のような主張が、より激しくなってくる時期です。
自己主張が一段と激しくなるため、いままでは気を逸らせたり、ごまかしがきいていたりしたことが、通じなくなります。
そのため、ママやパパがより苦労するのです…。
Q.2歳児|対応方法とは?
A.お子さまが納得するまで、待つこと。
2歳児になると、気持ちを代弁してあげても、ママやパパの解釈が間違っていたら、余計に暴れることがあります。
ママやパパが「子どもの気持ちを教えてあげよう!」と頑張った結果、追い打ちをかけるかのように「イヤ!」といわれたら、心が折れてしまうことも…。
2歳児は、好きや嫌いにくわえて、こだわりが出てくる時期です。
融通が利かなくなってきているのです。
そのため、2歳児頃の対応は、「気が済むまでやらせてあげる」ということが大切。
お子さまが納得するまでやらせてあげれば、気持ちが早く落ち着くこともあります。
お子さまに危険がない状況であれば、たとえ失敗をしたり間違えたりしても、成長するための経験となります。
心をおだやかにして、僧侶にでもなったつもりで見守っていきましょう。
3~4歳のころ
3歳児、4歳児になると、自分でやれることが格段に増えて、言葉もたくさん話せるようになっています。
この時期に気をつけてほしいのが、お子さまとママやパパとの気持ちにズレが生じていないかについてよく考えてみましょう。
お子さまが成長をしたとはいっても、まだ3歳児、4歳児です。
できないこともあります。
ママやパパが
「できるはず!」
と思っていても、お子さまにとってはハードルが高い可能性も…。
いままでできていたとしても、お子さまのその日の体調や気分によっても、成果は異なりますよね。
ぜひ、お子さまの目線に立ってみて
「どういう気持ちかな?」
と寄り添うように、心がけましょう。
Q.3歳児・4歳児|対応方法とは?
A.お子さまが気持ちを伝えられるように、「気持ちの種類」を教えていきましょう。
3歳児・4歳児ころは、幼稚園や保育園に入園することがあります。
そのため、他者とコミュニケーションをとる機会も格段に増えていくのです。
そのなかでお子さまが「気持ち」を伝えられると、お友だちとのトラブルが減ったり、先生にも「いまの気持ち」を伝えることができますよね。
ぜひ、お子さまが自分で自分の気持ちを伝えられるように、「気持ちの種類」を教えていきましょう。
意識して、心がけたい対応の仕方とは?
イヤイヤ期の子どもに対して、ママやパパはどのような対応や接し方をすればよいのでしょうか?
ここでは、お子さまと関わるときに心がけたい対応方法を2つ紹介します。
①子どもの気持ちを言語化してあげる
子どもは好きや嫌いを認識し始めたものの、自分の気持ちの伝えかたがわからず、すべての気持ちを「イヤ」のなかにこめてしまいます。
心がけたい対応は、ずばり、言語化をすること!
ママやパパは、お子さまが
「いまどういう気持ちなのか」
「どんなことをしたいのか」
を、具体的に言語化してあげるのです。
たとえば、お子さまがおもちゃで遊んでいて
「イヤ!」
といったとします。
そのときに
「上手にできなくて、悔しかったんだね」
のように、お子さまの気持ちや状況を言語化してあげましょう。
ママやパパが気持ちを言語化してくれることで、なにに対して「イヤ」となっているのか、子ども自身が学んでいきます。
何度もくり返し言語化をしてあげることで
「こういう気持ちのときは、イヤじゃなくて、悲しいっていうんだね」
のように言葉が浮かぶようになります。
ぜひ、お子さまの気持ちを言語化して、自分で説明ができるようにうながしていきましょう。
②子どもの気持ちに寄り添う
お子さまが「イヤ!」といっているときに、ママもパパも原因がわからないときもあります。
ママやパパが
「これかな?それとも、あれかな?」
と試行錯誤をしていても、すべての提案に対して
「違う!」
となることも…。
どんなに頑張っても、原因がわからないと、ママやパパもつらい気持ちになってしまいますよね。
原因を追及することも必要ですが、大切なのは子どもの「いまの気持ち」に寄り添うことが大切です。
具体的には、子どもの考えや気持ちを理解しようとしている姿勢をみせるのです。
原因がわからなくても、大丈夫。
そんなときは
「ママ(パパ)、わからなかったね」
と素直に「わからなかった」という事実を伝えましょう。
原因を追及してわからなくても
「自分のことを理解しようとしてくれた」
という気持ちは伝わります。
ママやパパが頑張りすぎて疲れてしまわないように、わからなかったときはお子さまの気持ちに寄り添い、「理解しようとしている姿勢」をみせましょう。
まとめ|「イヤ」の状態を自分で理解できるようにうながそう
本記事では、子どものイヤイヤ期についてまとめていきました。
お子さまが「イヤイヤ」となったときに、ママやパパが心がけて欲しいことは2つ。
- 子どもの気持ちを言語化して、いまの子どもの気持ちを自分で理解できるようにうながす
- ママやパパが、子どもの気持ちを理解しようとし、寄り添っている姿勢をみせる
ママやパパが上記のことを気をつけていても、お子さまが「自分の気持ち」を説明できるようになるまで続きます。
この時期を乗り越えるためには、ママやパパが頑張りすぎずに「乗り切る」ことが大切。
「相手に伝えるときには、いろいろな言葉がある」
ということを、お子さまが理解できるように「気持ちの種類を言語化」して、コツコツと教えていきましょう!